臨床経験
胸部挾圧外傷後に発症したPurtscher網膜症
北 雄介
1
,
小林 亮
,
野木村 宏
,
惟康 良平
,
八鍬 一貴
,
西野 純史
,
福原 菜摘
,
本郷 久美子
,
宮戸 秀世
,
石原 行雄
,
高林 直記
,
平松 毅幸
1焼津市立総合病院 外科
キーワード:
Prednisolone
,
眼底
,
気圧障害
,
胸部外傷
,
交通事故
,
Purtscher病
,
眼底撮影
Keyword:
Accidents, Traffic
,
Barotrauma
,
Fundus Oculi
,
Prednisolone
,
Thoracic Injuries
pp.557-559
発行日 2014年7月1日
Published Date 2014/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2014367319
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74歳男。車を運転中、衝突時にエアバックが作動し、直後より前胸部痛が生じて救急搬送された。翌日(受傷から15時間後)、「急に黄色や赤色の影やリング状の模様が見えたり消えたりする様になってしまった」と突然の左眼視覚異常を訴え、頭部MRIやMRAで異常は認めなかったが、眼底検査で左眼に後極部の軟性白斑と網膜浮腫を認めた。Purtscher網膜症と診断し、ステロイド内服治療をプレドニゾロン30mgから開始し、1週間毎に5mgずつ減量した。2ヵ月間の内服治療中に症状は徐々に改善傾向となったが、受傷6ヵ月後の左眼視力は0.6と受傷前の1.2に劣っていた。また、視野に入るリング状の異常影は薄くぼやけた感じに軽減したが、傍中心暗点の遺残など、受傷前のレベルには回復しなかった。現在も外来通院中である。
©Nankodo Co., Ltd., 2014