発行日 2014年7月1日
Published Date 2014/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2014367313
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63歳男。胃癌の精査中に右肺に多発性の小結節を認め、胃癌手術(病理診断は中分化型腺癌、pT2N0M0、病理病期IB期)から3ヵ月後のCTで右肺S8の結節影の増大を認めた。CTで結節は18mm大、境界明瞭で強い造影効果を示し、更に右肺S4、S6にも各々8mm大の結節性病変を認めた。右S8・S6の結節に対し肺部分切除術を行ない、病理組織学的にS8の結節内部に硝子様変化を伴う基質を有し、単層の細胞で覆われ乳頭状増殖を示す組織を認めた。単層の細胞に異型はなく、またCD31/34、第VIII因子関連抗原がびまん性に陽性であり、増殖している細胞は血管内皮と考えられた。MIB-1 labeling indexは1%未満で、p53の過剰発現は認めなかった。乳頭状増殖以外にも血腫、血栓、膿原性肉芽腫様部、海綿状血管腫様部を認めた。S6の結節内部にも同様の乳頭状増殖を示す組織を認めた。以上より、多発性の肺血管内乳頭状内皮過形成と診断した。
©Nankodo Co., Ltd., 2014