発行日 2016年7月1日
Published Date 2016/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2016339099
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症例は58歳女性で、3年前に左冠状動脈前下行枝(LAD)の完全閉塞による急性心不全に対しbiolimus-eluting stentを留置したが、8ヵ月後にステント内再狭窄(ISR)でバルーン拡張術(POBA)を行った。1年半前に再度ISRをきたし、everolimus-eluting stentを留置した。その後も2回ISRでPOBAを行ったが、再狭窄を繰り返すために冠状動脈バイパス術(CABG)を行った。冠状動脈造影でLADは完全閉塞していた。金属アレルギーと考え、パッチテストではマンガン、インジウム、コバルト、ニッケル、亜鉛が陽性であった。術中所見でステント留置付近の心表面は白色に硬化していた。心拍動下CABG(左内胸動脈-LAD)をステント末梢部分に行い、ステントを摘除した。病理所見ではステント内に内膜が増殖し、マクロファージの集簇、リンパ球や好酸球を認め、hypersensitivity reactionと診断した。術後16日目に退院し、以後2年経過で狭心症状は認めていない。
©Nankodo Co., Ltd., 2016