胸部外科の指針
Stanford B型急性大動脈解離の早期離床プログラム
井上 武彦
1
,
市原 哲也
,
坂口 秀仁
,
金森 太郎
,
島本 健
,
小宮 達彦
,
飛永 覚
,
田中 啓之
1千葉西総合病院 心臓血管外科
キーワード:
Nifedipine
,
呼吸不全
,
死亡率
,
せん妄
,
大動脈瘤
,
X線CT
,
動脈瘤-解離性
,
経口投与
,
入院期間
,
早期離床
,
無気肺
,
Doxazosin
,
Carvedilol
,
Olmesartan Medoxomil
Keyword:
Olmesartan Medoxomil
,
Administration, Oral
,
Aortic Aneurysm
,
Aneurysm, Dissecting
,
Pulmonary Atelectasis
,
Delirium
,
Early Ambulation
,
Length of Stay
,
Nifedipine
,
Mortality
,
Respiratory Insufficiency
,
Tomography, X-Ray Computed
,
Doxazosin
,
Carvedilol
pp.781-788
発行日 2014年8月1日
Published Date 2014/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2014298146
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合併症のないStanford B型急性大動脈解離に対して、精神的ストレスの解除を目的とした早期離床プログラムを導入し、その臨床成績を検討した。対象は従来のガイドラインに従った33例と、第2病日には歩行可とする早期離床プログラムを導入した87例であり、降圧難渋例、入院経過中の最高収縮期/拡張期血圧、平均収縮期/拡張期血圧、急性期緊急手術移行例、死亡例、無気肺合併率、せん妄合併率、入院日数、発症4週間後の瘤径拡大の有無などを比較した結果、本プログラム導入後は血圧管理が容易となり、降圧難渋例、無気肺合併率、人工呼吸器装着率、入院期間、せん妄合併率、酸素投与率は有意に低下した。また、発症4週間後の大動脈瘤径に有意差はなく、死亡例や急性期の緊急手術移行例は認めなかった。合併症のないStanford B型急性大動脈解離において、本プログラムの有用性が強く示唆された。
©Nankodo Co., Ltd., 2014