発行日 2011年6月1日
Published Date 2011/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2011288483
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61歳女性。大動脈弁輪拡張症と大動脈弁閉鎖不全症、更に上行および弓部大動脈瘤の診断後、大動脈基部ならびに全弓部の大動脈置換術が施行された。しかし、術後、左上肢の感覚障害をはじめ冷感、運動麻痺と蒼白状態が続き、CTにより左鎖骨下動脈の起始部に完全閉鎖が確認された。そこで、再手術が行われたが、左前腕部に急速な腫脹が生じた。以後、急性区画症候群と診断され、筋膜切開を行ったところ、前腕部の筋壊死は認めず、浮腫は上肢挙上により徐々に改善し、切開創は浮腫の軽減と共に自然閉鎖した。尚、患者は第40日病日目で退院となり、経過は良好である。
©Nankodo Co., Ltd., 2011