発行日 2014年5月1日
Published Date 2014/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2014195264
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症例は39歳男性で、右自然気胸の既往があり、1年3ヵ月前の血性胸水ドレナージの際に右後縦隔の陰影を指摘されていた。胸部CTで右後縦隔の第9~10胸椎前面に腫瘤を認め、頭尾側方向に最大径60mmで下肺静脈に接し、内部不均一な造影効果を示し、両肺上葉には嚢胞が存在した。MRIで腫瘤はT1強調画像でやや高信号、T2強調画像で高信号を呈し、神経鞘腫などを疑い診断を兼ねて手術を施行した。胸腔鏡で腫瘍は右肺下葉と右下肺静脈および心膜に直接浸潤を認め、第6肋間前側方開胸により腫瘍切除+右肺下葉切除+心膜合併切除+上中葉肺嚢胞切除術を施行した。病理所見で核分裂像を伴う紡錘形細胞が増殖し、腫瘍内に出血を伴っていた。免疫染色ではbcl-2陽性、S-100蛋白・calretinin・CD34陰性で、悪性末梢神経鞘腫と診断した。局所放射線照射を追加し、術後9ヵ月経過して再発はない。
©Nankodo Co., Ltd., 2014