発行日 2014年5月1日
Published Date 2014/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2014195257
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症例1は76歳男性で、突然の胸背部痛が出現し、CTで左鎖骨下動脈分岐部から腹腔動脈分岐直前までの血栓閉塞型大動脈解離を認め、遠位弓部大動脈に潰瘍様突出像が存在した。血栓閉塞型Stanford B型急性大動脈解離破裂と診断し、迅速な体外循環の確立を目的に正中切開を選択した。左鎖骨下動脈起始部より遠位に確認した内膜亀裂部と外膜破綻部を切除して大動脈を完全離断し、Gelweave 22mm分枝人工血管を用いて上行弓部置換術を施行した。症例2は86歳男性で、意識障害とショックを来たし、CTで遠位弓部大動脈に石灰化した内膜の周囲に帯状の血栓像を認め、その外側の前縦隔や左胸腔に血腫が存在した。症例1と同様な大動脈解離を疑い、同手技により上行弓部人工血管置換術を施行した。両症例とも術後経過良好で、それぞれ27日目、42日目に独歩退院した。
©Nankodo Co., Ltd., 2014