大動脈基部置換術
基本術式 Composite graftによる大動脈基部置換術の遠隔成績
福永 周司
1
,
植田 知宏
,
森 龍祐
,
新谷 悠介
,
奈田 慎一
,
三笠 圭太
,
金谷 蔵人
,
明石 英俊
,
青柳 成明
1久留米大学 外科
キーワード:
生存率
,
大動脈瘤
,
追跡研究
,
動脈瘤-解離性
,
人工器官機能不全
,
治療成績
,
大動脈置換術
,
大動脈弁輪拡張症
Keyword:
Aortic Aneurysm
,
Aneurysm, Dissecting
,
Follow-Up Studies
,
Prosthesis Failure
,
Survival Rate
,
Treatment Outcome
pp.947-951
発行日 2009年10月1日
Published Date 2009/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2009358777
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Composite graftによる大動脈基部置換術を施行した127例を対象に、生死、NYHA心機能分類、人工弁関連合併症の追跡調査を行った。急性期死亡を4例認め、残り123例の追跡調査(平均6.1年)では遠隔死亡を13例認め、心臓死9例、非心臓死4例であった。心臓死の内訳は脳出血3例、大動脈遮断部の仮性瘤破裂1例、急性大動脈解離1例、胸腹部の慢性解離性大動脈瘤に対する手術死1例、突然死2例、不明1例であった。Kaplan-Meier法による術後5、10、15年での累積生存率は各々86.2、83.4、83.4%であった。人工弁関連合併症として構造的劣化を生体弁の1例に認め、人工弁非構造的機能不全として開放制限を伴う人工弁機能不全を機械弁の2例に認めた。血栓塞栓症は4例、出血性合併症は6例に認め、人工弁感染性心内膜炎は1例に認めた。血管合併症としては、新たな大動脈解離発生を4例、吻合部の仮性瘤を2例に認めた。再手術を行った11例中、再度大動脈基部置換を行ったのは2例であった。弁関連合併症回避率は術後5、10、15年で90.4、80.0、73.8%で、大動脈弁が原因での再手術回避率は術後10、15年で99.2、95.7%であった。全死亡を含めた合併症回避率は術後5、10、15年で75.2、59.5、51.4%であった。
©Nankodo Co., Ltd., 2009