手術の工夫
部分肺静脈還流異常症に対するWarden変法および右房maze手術
渡邉 大介
1
,
吉村 幸浩
,
前川 慶之
,
内田 徹郎
,
金 哲樹
,
宮崎 良太
,
水本 雅弘
,
廣岡 秀人
,
安本 匠
,
貞弘 光章
1山形大学 第二外科
キーワード:
心不全
,
三次元イメージング
,
肺静脈還流異常
,
メイズ手術
,
胸部CT
Keyword:
Heart Failure
,
Imaging, Three-Dimensional
pp.387-390
発行日 2014年5月1日
Published Date 2014/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2014195256
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
症例は46歳女性で、7歳時に心房中隔欠損症(ASD)閉鎖術の既往があった。下腿浮腫、労作時呼吸困難が出現し、肺静脈還流異常症および心房細動によるうっ血性心不全と診断された。3D-CTでは高位上大静脈への右上肺静脈(SVC)の還流と、無名静脈に還流する左上肺静脈区域枝を認めた。開胸術を施行し、まずAtriCureを用いて右房maze手術を行った。次いで心房壁を切除してASDを作成し、左上肺静脈を剥離して無名静脈合流部で切離し、左心耳と吻合した。その後右上肺静脈流入部の直上でSVC前面を切開し、近位部の前壁を後壁に縫合した。切開した右房壁フラップを近位部SVCの前壁前面に縫合し、血流がSVC近位部、ASDを通って左房に還流するようにリルーティングを行い、SVC前壁と心房壁フラップを後壁とし、遠位部SVC開口部から右房切開口にかけて自己心膜でSVC前壁形成と右房壁閉鎖を行った。術後経過良好で、吻合部の狭窄などはない。
©Nankodo Co., Ltd., 2014