重症心不全に対する外科治療
重症心不全を伴う弁膜症開心術における心臓再同期療法の有用性
内田 徹郎
1
,
水本 雅弘
,
金 哲樹
,
前川 慶之
,
宮崎 良太
,
廣岡 秀人
,
安本 匠
,
吉村 幸浩
,
貞弘 光章
1山形大学 第二外科
キーワード:
心エコー図
,
心室
,
心臓弁膜症
,
心電図
,
心不全
,
心房細動
,
治療成績
,
開心術
,
メイズ手術
,
心臓再同期療法
Keyword:
Atrial Fibrillation
,
Electrocardiography
,
Echocardiography
,
Heart Failure
,
Heart Valve Diseases
,
Heart Ventricles
,
Treatment Outcome
,
Cardiac Resynchronization Therapy
pp.4-10
発行日 2013年1月1日
Published Date 2013/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2013077113
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重症心不全を伴った弁膜症に両室ペーシングによる心臓再同期療法で手術を行った8例(男性4例、女性4例、平均年齢70.8歳)について報告した。平均値で術前のNew York Heart Association(NYHA)分類は3.4度、心電図QRS時間は151ms、左室駆出率(LVEF)は42.2%、左室拡張期径(LVDd)は55.4mm、Logistic EuroSCOREは8.6%で、洞調律4例、心房細動、ペースメーカ調率各2例であった。術式は僧帽弁形成術(MVP)+三尖弁形成術(TVP)+maze手術2例、MVP+TVP+冠状動脈バイパス術、MVP+左房瘤縫縮術、大動脈弁置換術(AVR)+MVP、AVR、三尖弁置換術(TVR)+maze手術、TVR+MVP各1例であった。平均値で手術時間は328分、大動脈遮断時間は115分、人工心肺離脱に要した時間は49分であった。手術死亡はなかったが、1例が術後2ヵ月に心室細動で死亡した。退院時NYHS分類は全例1度に改善した。術後の心エコーではLVEF、LVDdに大きな変動はなく、LV-PEFの改善、IVMDの短縮が認められた。
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