発行日 2013年7月1日
Published Date 2013/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2013316882
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70歳男性。咳嗽と呼吸困難を主訴とした。胸部単純X線所見では左肺の虚脱、胸水、右側大動脈弓が認められた。また、胸部CT所見では右側大動脈弓があり、下行大動脈は推体右側を走行していた。更に下行大動脈、食道、椎体に接するように空隙が形成されており、左胸腔が右側に突出していたが、奇静脈食道陥凹(AER)の鏡面像構造であり、ブラの破裂が気胸の責任病巣であると疑われた。以上より、胸腔鏡下手術を行なったところ、左S6背側のブラが左側AER様構造にはまりこんで癒着していることから、癒着したブラ壁の一部を胸壁に残すように切離し、切離断端を結紮した。その結果、空気漏れの停止を確認後、ドレーン抜去、術後3日目に患者は退院となった。
©Nankodo Co., Ltd., 2013