発行日 2014年4月1日
Published Date 2014/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2014177011
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63歳男。右側腹部痛が出現し受診、腹部CTで両側性後縦隔腫瘍が認められ、精査加療目的に入院となった。胸部CTでは第7胸椎の左傍と脊柱部第8~11胸椎の右傍脊柱部3ヵ所に境界明瞭な造影効果を示す軟部組織瘤影がみられた。傍脊柱部の腫瘍のためCTガイド下での生検は困難であり、かつ悪性も否定できない事由から胸腔鏡下に腫瘍を摘出したところ、左傍脊柱部領域に壁側胸膜に覆われた暗赤色調の軟らかい腫瘤が認められ、腫瘤を被膜ごと切除した。その結果、病理所見より骨髄組織と成熟脂肪組織が混在し、拡大像では赤芽球、骨髄球、巨核球の三系統全ての血球が認められた。以上より、本症例は総じて先天性溶血性貧血に伴う多発の胸腔内髄外造血巣と診断された。
©Nankodo Co., Ltd., 2014