発行日 2010年11月1日
Published Date 2010/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2011034197
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62歳男。人間ドックで胸部異常陰影を指摘され当院紹介となった。胸部CTでは背側で最も尾側の左胸腔内に径11mmの境界明瞭な円形の腫瘤影を認め、縦隔条件では粗大な石灰化を伴っていた。過誤腫を疑い、患者希望により胸腔鏡下手術を施行した。胸腔鏡所見で左横隔膜上に周囲とは遊離した白色の腫瘤を認め、鉗子で把持し摘出した。摘出腫瘤は11mm大で軽度の凹凸を有し、割面では辺縁が白色で硬く、中心部は黄褐色の軟らかい組織であった。組織学的には辺縁部は膠原線維から成り、内部は網目状構造を呈していた。強拡大像では内部は変性壊死した脂肪組織を思わせる像で、石灰沈着を認めた。以上より、胸腔内結石と診断した。
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