発行日 2013年7月1日
Published Date 2013/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2013316883
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69歳男性。右肺扁平上皮癌に対してvinorelbine(VNR)+carboplatin療法による術前化学療法を4コース行い、右肺全摘が行われたが、左腸骨転移を来した。PET-CTでは左腸骨に加えて股関節周囲の恥骨・左鼠径リンパ節にFDGの集積亢進が認められ、左肺多発転移もみられたため、VNR+gemcitabine療法を開始した。その結果、VNR投与1~3回目までは問題なく経過したが、4~6回目の化学療法施行時、VNR投与直後に左鼠径部・大腿・臀部にかけて鋭い激痛が生じた。そこで、oxycodone速放薬を投与したが鎮痛が困難であったため、鎮痛補助薬としてpregabalinとbetamethasoneを加えた。以後、8回目にはoxycodone速放薬を前投与としたが、VNR投与後には以前よりも痛みの程度は減弱したものの疼痛は1時間続いた。尚、計4コース後の治療評価CTでは癌は進行がみられ、化学療法は中止となった。
©Nankodo Co., Ltd., 2013