発行日 2013年7月1日
Published Date 2013/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2013316878
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42歳男性。呼吸困難を主訴とした。CTにてStanford B型急性大動脈解離、右下肢動脈閉塞、左胸腔内血腫の診断となった。緊急に大腿-大腿動脈交叉バイパス術、左胸腔内血腫除去術を行い、術後は安静降圧療法で経週観察とした。しかし発症3日後、両下肢の運動神経麻痺が出現し、脊髄液ドレナージを行ったところ、翌日には両下肢とも全く違和感がない状態へと回復した。以後、退院時の遠位弓部大動脈径は45mmで、1年6ヵ月後には57mmに拡大したため胸部大動脈瘤人工血管置換術が行われた。手術は脊髄保護として術前日に脊髄液ドレナージ、硬膜外冷却チューブを刺入した。その結果、術後3日目に人工呼吸器を離脱、脊髄液ドレナージを終了した。そして、術後5日目に歩行を開始し、術後30日目に自宅退院となり、術後3ヵ月で仕事に復帰することができた。
©Nankodo Co., Ltd., 2013