発行日 2016年7月1日
Published Date 2016/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2016339096
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症例は80歳女性で、近医で心雑音を指摘され、心エコーで僧帽弁輪に腫瘍を認め循環器内科に紹介となった。経胸壁心エコーで僧帽弁後尖弁輪部の18×22mm大の球状腫瘤にて弁の可動制限と弁の中央部にmoderateな逆流を認めた。CTで僧帽弁輪部中央に内部不均一な濃染性小球様腫瘤を認めた。手術は患者の同意が得られず、3ヵ月後にうっ血性心不全による呼吸困難・肝機能異常を認め入院となった。心エコーで僧帽弁閉鎖不全の逆流がsevereへと悪化し腫瘍径も5mm程度拡大し、患者の同意を得て手術を行った。後尖側弁輪中央部心内膜下に球状腫瘤を認め、弁輪部で腫瘤の中央部を切開して石灰化したカプセルと内部に緊満した茶黒色砂泥状デブリを認め、内容物を完全に除去し、切開部を弁輪の高さで閉鎖して弁輪の形成を行った。病理診断はold fibrin with focal calcification and xanthogranulomaであった。術後は特に問題なく術後8日目に退院した。
©Nankodo Co., Ltd., 2016