胸部外科の指針
肺癌切除後に出現した単発肺腫瘤
斉藤 裕
1
,
高田 宗尚
,
矢鋪 憲功
,
中島 淳
,
佐藤 雅美
1富山県厚生農業協同組合連合会高岡病院 胸部外科
キーワード:
腫瘍再発
,
腫瘤
,
肺切除
,
肺癌-非小細胞
,
時間因子
,
腫瘍-第二原発
,
後向き研究
,
年齢因子
,
Kaplan-Meier法
,
上皮内腺癌
Keyword:
Age Factors
,
Carcinoma, Non-Small-Cell Lung
,
Neoplasm Recurrence, Local
,
Pneumonectomy
,
Retrospective Studies
,
Time Factors
,
Neoplasms, Second Primary
,
Kaplan-Meier Estimate
,
Adenocarcinoma in Situ
pp.351-357
発行日 2013年5月1日
Published Date 2013/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2013269693
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完全切除された非小細胞肺癌で、術後に他に転移性病変がみられない単発肺腫瘤を認めた53例を対象に、腫瘤を切除した43例(切除群)と未確定診断非切除例として手術以外の治療を行った10例(D群)に分け、患者背景や治療、予後を比較した。切除群の内訳は第二癌28例(A群)、再発9例(B群)、良性腫瘤6例(C群)で、切除群では悪性腫瘍の割合が86%と高かった。腫瘤出現までの期間はB群がA、D群より有意に短かった。全例で術後に重篤な合併症は認めず、手術死亡例もなかった。5年生存率はC群がB群より有意に高く、他の群間に有意差はなかった。なお、D群では50%以上が初回手術時に縮小手術を余儀なくされており、腫瘤出現時の年齢は切除群より高齢で、かつ腫瘤径も大きく、5年生存率もA、B群と同等以上であった。
©Nankodo Co., Ltd., 2013