発行日 2013年6月1日
Published Date 2013/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2013257873
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61歳男。胸背部痛を主訴とした。第6頸椎損傷による不完全麻痺の慢性期にあり、血圧治療や排泄管理指導を受けておらず排泄時には用手的に腹圧をかけて行っていたが、排便時に突然の胸痛を自覚し動けなくなった。心臓超音波検査で心嚢液貯留を認め、胸腹部単純CTでは上行大動脈の径の拡張と上行大動脈および下行大動脈に高輝度三日月像を認め、自律神経過反射による心タンポナーデ合併Stanford A型急性大動脈解離および小径腹部大動脈瘤と診断した。局所麻酔下で心窩部を切開し血性心嚢液を吸引後、全身麻酔下に上行大動脈人工血管置換術を行った。術直後は血圧変動が激しかったためカテコラミンとnicardipineの細かい調整が必要であったが経過は良好であり30日目に退院した。
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