手術の工夫
超音波補助下左室切開アプローチによる心尖部腫瘍摘出術
白川 真
1
,
井村 肇
,
丸山 雄二
,
鈴木 大悟
1日本医科大学武蔵小杉病院 心臓血管外科
キーワード:
脂肪腫
,
術中期
,
心エコー図
,
人工心肺
,
心室
,
心臓腫瘍
,
期外収縮-心室性
,
インターベンショナル超音波診断
,
開心術
,
胸部CT
Keyword:
Echocardiography
,
Heart Ventricles
,
Heart-Lung Machine
,
Heart Neoplasms
,
Intraoperative Period
,
Lipoma
,
Ultrasonography, Interventional
,
Ventricular Premature Complexes
pp.473-475
発行日 2013年6月1日
Published Date 2013/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2013257864
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67歳女。主訴は心電図検査で多発する心室性期外収縮の精査であった。経胸壁心臓超音波にて左室内心尖部に20mm大の可動性の高輝度腫瘤を認め、MRIのT1・T2像で高信号、T1強調脂肪抑制画像で強調が抑制された。原発性左室内脂肪腫と診断し、術中超音波検査を用いた左室切開アプローチで腫瘍摘出術を施行し、腫瘍付着部には凍結凝固療法を追加施行し、左室切開部両側にフェルトを用いて2層で線状閉鎖した。病理検査では成熟型脂肪腫と診断された。術後第7病日の経胸壁心臓超音波および胸部CTでは残存腫瘍を認めず、第13病日に退院した。術前に認めた単原性の心室性期外収縮は術後第5病日および4ヵ月のホルター心電図において発生頻度に大きな変化を認めなかった。
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