発行日 2005年3月1日
Published Date 2005/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2005130143
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小,中,大型の3種の胸腔鏡下針生検用鉗子を開発し,43例を対象に使用成績を検討した.43例中,小型鉗子を23例,中型を13例,大型を7例に使用し,35例で診断に成功した.小型鉗子では6例が成功せず,原因は4例が鉗子と腫瘤のサイズが合わずに検体が採取できず,1例は組織が柔らかすぎて採取できず,1例は迅速病理検査では診断し得なかった.大型では全例成功し,中型では2例が成功せず,いずれも迅速病理検査では診断し得なかった症例であった.成功した35例中6例が良性であったため,胸腔鏡下肺楔状切除を追加し,29例が悪性であったため肺葉切除または区域切除を施行した.生検による合併症はなく,穿刺後の出血はすべて綿棒による圧迫で止血された.また,胸腔内針生検と肺楔状切除との再発に関する検討では,再発率に有意差はなく,針生検施行例に胸腔内再発を認めなかった.以上より,本鉗子を用いた針生検は,視触診で同定され得るような肺腫瘤の胸腔鏡下術中の確定診断に有用であると考えられた
©Nankodo Co., Ltd., 2005