発行日 2012年9月1日
Published Date 2012/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2013004076
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症例は59歳男性で、検診で胸部異常陰影を指摘された。CTで右下葉S6縦隔側に34×26mmの腫瘍を認め、中間気管支幹背側に接していた。気管支鏡による擦過細胞診で腺癌と診断し、右下葉切除術を施行した。腫瘍は中間気管支幹膜様部に浸潤が疑われ、中葉温存には気管支形成が必要と判断した。腫瘍浸潤のない下葉気管支の腹側壁を残し、浸潤中間気管支幹膜様部を切除側に含めて気管支を離断し、右下葉を摘出した。術中迅速診断で断端外膜に腫瘍浸潤を認め、中間気管支幹膜様部をU字型に追加切除した。気管支形成は、まず減張目的でプレジェットで補強したブレイド吸収糸によるマットレス縫合を気管支フラップの根元両端におき、次いで気管支フラップで中間気管支幹の欠損部を覆うように3-0モノフィラメント吸収糸により結節縫合を行った。両端減張縫合部にはブレイド非吸収糸の結節縫合を追加した。術後補助化学療法を行い、1年2ヵ月経過して無再発生存中である。
©Nankodo Co., Ltd., 2012