発行日 2005年11月1日
Published Date 2005/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2006051514
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70歳男.塵肺症・狭心症・陳旧性心筋梗塞にて経過観察中であった.胸部異常陰影を指摘され経気管支生検結果から左肺(S6c)扁平上皮癌と診断され,心肺同時手術目的で紹介入院となった.入院時,胸部X線・CT所見では左肺S6に辺縁不整な径4.0cmの腫瘤陰影と両上肺野背側中心に粒状陰影の散在を認め,臨床病期はT2N0M0肺癌とII型塵肺症と診断された.心カテーテル所見では#4;75%・#13;90%の狭窄と左室造影でseg4,7に運動低下を認めた.手術ではまず冠動脈2枝OPCAB(左内胸動脈-橈骨移動脈-回旋後側壁枝-#4後下行枝)を施行し,次に胸腔胸補助下に左下葉切除+ND2Aを施行,病理診断は高分化扁平上皮癌pT2N0M0,IB期絶対的治癒切除であった.術後,第1病日に術直後に出現した肺瘻閉鎖術を施行し,第5病日には大量喀痰と肺炎所見が出現したため,最終的に気管切開術を施行して第41病日に退院となった.術後2年の現在,肺機能・心機能の著明な低下や再発の徴候は認めていない
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