発行日 2009年7月1日
Published Date 2009/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2009296142
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胸部大血管またはその分枝による圧迫が気道狭窄症状の原因と判断する7例(男児5例、女児2例、生後21日~6歳)を対象に、マルチスライスヘリカルCT(MSCT)の診断上の有用性について検討した。全例にMSCTを施行し、気道を圧迫している血管の同定により輪状となった弓部血管3例、変位した大動脈2例、異常起始した右鎖骨下動脈1例、拡張した肺動脈1例を認めた。血管像、気管像を合成した3D構築画像を基に圧迫解除の方法を検討し手術を施行した。原疾患の心不全による死亡は1例で、6例は術後経過良好で臨床症状の改善を認め、術後MSCT再検にて気道狭窄の解除を確認した。以上より、MSCTは3D構築画像は骨格系、臓器系を立体的に重ねての描出が可能で、低侵襲にこれらの相互関係を把握でき、血管起因性の気道狭窄には極めて有用な検査方法と考えた。
©Nankodo Co., Ltd., 2009