発行日 2012年6月1日
Published Date 2012/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2012356928
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
38歳男。2008年の検診では特に異常を指摘されなかったが、2009年の検診のX線で左肺門部に突出する縦隔陰影が認められた。特に自覚症状は認めなかった。CTで前縦隔、肺動脈幹左側に接して7×4cm大の境界明瞭、内部均一な低濃度を示す腫瘤を認めた。周囲組織への明らかな浸潤は認めなかった。MRIで薄い被膜を有する内部がほぼ均一な単房性の腫瘤を認め、腫瘤内部はT2強調画像で高信号を呈していた。嚢胞性の良性縦隔腫瘍と診断し、胸腔鏡下手術を施行した。病理組織学的検査より、縦隔嚢胞性リンパ管腫と診断した。D2-40の免疫染色で、嚢胞壁の内腔を覆う内皮細胞が強陽性を示すことを確認した。術後4日に退院し、現在まで再発を認めなかった。
©Nankodo Co., Ltd., 2012