発行日 2005年6月1日
Published Date 2005/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2005223328
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49歳男.患者は高血圧により32歳時から降圧剤を内服していた.幼少時から労作時息切れを自覚し,約1年前から労作時息切れ,胸痛があった.3次元CT,MRI,心カテーテル検査,大動脈造影所見等により大動脈縮窄症と診断された.縮窄部が左鎖骨下動脈に近く,解剖学的血行再建は困難と考え,本疾患の手術目的が高血圧の改善,下半身へのスムーズな血流維持であることから,術式は非解剖学的血行再建である左鎖骨下動脈-下行大動脈バイパス術を選択した.体外循環を使用せず,左鎖骨下動脈が太いためバイパスで圧較差を解除でき,早期に社会復帰できた.上・下肢血圧差は消失したが,吻合部の動脈壁は易出血性であるため,厳重な経過観察が必要と考えられた
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