発行日 2012年8月1日
Published Date 2012/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2012318836
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手術を行った75歳以上の難治性気胸83例を、術後合併症(-)の48例(男性47例、女性1例、平均80.1歳)と、(+)の35例(男性30例、女性5例、平均81.3歳)に分け、術前評価因子と術後合併症との関係について検討した。術後合併症は全身的合併症34例(41.0%)で、内訳は呼吸器系合併症29例(呼吸不全19例、肺炎9例、間質性肺炎の増悪1例、うち7例(8.4%)が死亡)、その他脊髄炎、廃用症候群各1例、せん妄3例であった。外科的合併症6例(7.2%、7日以上持続の肺気漏3例、ドレーン抜去後の肺再虚脱2例、手術部位感染1例)であった。単変量解析により2群間で有意差を認めたのは、術前呼吸器疾患(+)、TP、Alb、BUN、Cr、PaCO2、Performance status(PS)、BMIであり、これらの多重ロジスティック回帰分析による多変量解析ではPSのみに有意差を認め、オッズ比は2.28であった。高齢者の気胸根治手術の危険因子はPS不良、低栄養状態、PaCO2高値、術前呼吸器疾患合併と考えられた。
©Nankodo Co., Ltd., 2012