胸部外科領域における合併症予防のための周術期管理 呼吸器領域
合併症予防の観点からの呼吸器外科手術におけるリハビリテーション
田畑 俊治
1
,
近藤 丘
1東北医科薬科大学病院
キーワード:
気胸
,
胸部外科
,
縦隔腫瘍
,
術後合併症
,
日常生活活動
,
膿胸
,
肺炎
,
肺腫瘍
,
無気肺
,
リハビリテーション
,
廃用症候群
,
肺梗塞
,
機能的自立度評価法
Keyword:
Activities of Daily Living
,
Pulmonary Atelectasis
,
Mediastinal Neoplasms
,
Lung Neoplasms
,
Pneumothorax
,
Postoperative Complications
,
Pneumonia
,
Rehabilitation
,
Empyema, Pleural
,
Thoracic Surgical Procedures
,
Muscular Disorders, Atrophic
,
Pulmonary Infarction
pp.696-700
発行日 2017年7月20日
Published Date 2017/7/20
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2017355975
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全身麻酔下に呼吸器外科手術を行った935例のうち、周術期にリハビリテーションを行った612例(平均年齢68.6歳)について検討した。リハビリテーションの平均実施期間は12.8日、リハビリテーション開始時の平均機能的自立度評価表(FIM)は93.8、終了時の平均FIMは116.3であった。転帰は、自宅退院583例(95.3%)、転院17例(2.8%)、施設入所5例(0.8%)、死亡退院7例(1.1%)であった。自宅退院できなかった29例では自宅退院できた583例よりもリハビリテーション平均期間が有意に長く、リハビリテーション開始時の平均FIMスコアとリハビリテーション実施前後のFIMスコアの変化率が低かった。術前から個々の症例について総合的かつ適切に評価することが重要であり、評価に基づいてリハビリテーション介入の優先順位を決定するとともに経時的な効果判定とプログラム修正を行うことが大切であると考えられた。
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