発行日 2015年2月1日
Published Date 2015/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2015140392
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50歳女。発熱と肝機能障害が突然出現し、肝生検で粟粒結核と診断され、4剤による抗結核治療が行われた。治療開始2ヵ月後に嚥下困難が出現し、4ヵ月後に背部痛が出現したため近医受診したところ、縦隔の血腫と仮性大動脈瘤を認められ、当院に入院となった。胸腹部CTで両側肺野に小粒状陰影を認め、腹腔動脈分岐部やや中枢に仮性大動脈瘤を認めた。縦隔には巨大な血腫が形成されており、食道を強く圧排していた。待機的に開胸手術を行う方針としていたところ、入院6日目に突然多量の吐血があり、ショック状態となった。上部消化管内視鏡で食道終末付近右側に血腫を伴う潰瘍を認め、仮性大動脈瘤の食道穿破と診断した。胸腹部大動脈ステントグラフト内挿術を行い、術後36ヵ月の現在まで追加の外科的処置なしで良好に経過中である。
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