発行日 2011年11月1日
Published Date 2011/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2012184034
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症例は80歳男性で、労作時呼吸困難を主訴とした。患者に心筋梗塞の既往はなかったが、超音波で左室壁運動不全と左室心尖部に内部不均一の可動性球状腫瘤を認め、冠状動脈造影で重症三枝病変が認められた。左前下行枝領域の虚血から生じた冬眠心筋による血栓形成の可能性が高く、超音波で腫瘤の性状が不均一であることから、遊離・塞栓の危険が高いと判断し、腫瘤摘出と同時に三枝バイパスを施行した。病理組織学的所見では腫瘤は血栓であった。術後経過は良好で、心機能は改善し、術後25日に退院となった。
©Nankodo Co., Ltd., 2011