発行日 2011年11月1日
Published Date 2011/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2012184033
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症例は77歳男性で、呼吸困難感を主訴とした。左右自然気胸の既往があった。右自然気胸再発の診断で右胸腔ドレーンを挿入したが、エアリークが持続し軽快しないため、胸腔鏡下手術を施行した。術中、右下葉肺尖に白色調のブラがあり、右上葉に炭粉沈着した大きなブラが認められた。自動縫合器で右下葉肺尖部ブラを切除した後、右上葉ブラの切除を試みたが、ステープルの歯が進まず、ステープル本体が破損した。新しい自動縫合器に変えて上葉部分切除を行ったが、リークテストでステープルラインに縫合不全を認め、空気漏れが高度であった。小開胸を加え観察したところ、ステープルが進まなかった部位に石灰化病変が認められた。自動縫合器で切り残し部分を切離し、ステープル間の切離部分は4-0モノフィラメント吸収糸でZ字縫合を加えた。その後、空気漏れや出血が消失したことを確認し、ドレーンを挿入して手術を終了した。術後5日に軽快退院となった。
©Nankodo Co., Ltd., 2011