発行日 2011年9月1日
Published Date 2011/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2012013958
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55歳男。右肺上葉侵襲型アスペルギルス症と診断された約3ヵ月後に500ml程度の喀血が出現し、止血薬・抗真菌薬を投与したものの出血が続くため当科紹介となった。X線で右上肺野全体に壁肥厚した空洞を認め、CTでは右肺上葉は破壊され空洞を形成し、空洞内に突出する構造物があった。以上より、肺化膿症に続発した右肺上葉の侵襲型肺アスペルギルス症による喀血と診断して手術施行し、右肺上葉切除、広背筋充填および胸郭成形を行った。病理組織学的に、マクロ像では右肺上葉に壁肥厚を伴う空洞を認め、空洞内に突出する動脈瘤が存在した。ミクロ像では動脈瘤の部分で肺動脈の血管壁が破綻しており、仮性動脈瘤となっていた。術後喀血は消失し、経過良好で退院となった。
©Nankodo Co., Ltd., 2011