発行日 2004年10月1日
Published Date 2004/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2005051665
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症例1(66歳男)は直腸癌の肺転移のため,症例2(71歳男)は左肺癌のため,それぞれ左肺下葉切除術と縦隔リンパ節郭清を受けていたが,いずれも荒蕪肺化した左残存肺に肺アスペルギルス症を発症し,耐術能良好との判断にて外科的切除を行った.癒着の強固な部位では無理な胸膜外剥離を行わずに胸壁を合併切除する方法を応用し,左残存胸膜肺摘除術,胸壁合併切除,心膜合併切除,広背筋弁による気管支断端被覆,肩甲骨下極切除を行った.2例とも出血量は1000mlを越えたが,10時間以上に及ぶ手術時間を考えると出血量は抑えられたと思われ,術中病巣は破れず術野が汚染されることはなかった.また,4~5本の肋骨切除と広背筋弁による気管支断端被覆にて摘除後の遺残腔縮小が得られ,術後は合併症なく良好に経過した
©Nankodo Co., Ltd., 2004