発行日 2005年12月1日
Published Date 2005/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2006102452
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69歳男.15歳時に肺結核で化学療法と人工気胸療法を施行した.治癒後から,右慢性結核性膿胸によるMRSA感染で入院治療を繰り返していたが,膿血痰と発熱を認め,抗生物質で効果が得られず入院となった.右慢性有瘻性結核性膿胸と診断し,胸腔ドレーンにより悪臭を伴った膿性茶褐色胸水が排液された.その後,全身状態が改善したが,継続する発熱と,痰及び排液からMRSAが検出されたため,開窓術を施行した.術後5ヵ月に開窓部からのアプローチで石灰化胸膜の完全除去を行い,連日続いた発熱が改善した.更に,術後22ヵ月には胸郭形成及び広背筋弁充填術を施行した.術中,術後の膿胸腔排出液はいずれも陰性で,術後17ヵ月経過現在,膿胸の再燃は認めず,外来で経過観察中である
©Nankodo Co., Ltd., 2005