発行日 2011年7月1日
Published Date 2011/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2011292642
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呼吸器外科手術の支援目的で行われる術前3D-CTの患者側・医療側負担を軽減させる目的で、1回の息止めの間に肺動脈(PA)相を頭→尾側方向へスキャンした後、そのまま連続して尾→頭側方向に肺静脈(PV)相をスキャンするgo & returen撮影を行った。撮影開始のタイミングは、あらかじめ試験注入でPAとPVの時間濃度曲線を描出し、PV相撮影時にPA相との濃度差が最大となる時期がくるようにした。本法で3D-CTを撮影した呼吸器外科手術23例において、3D画像を短時間で得ることができる、撮影に要する造影剤は40mlで済むようになった。当科で用いる造影剤の規格は1本100mlであり、残りの60mlで引き続き肺病変精査用の胸部CT、遠隔転移検索目的の全身CT撮影を行うことが可能となった。撮影結果の評価では、PA、PVが完全または良好に分離造影されたのは23例中18例、PAまたはPVが描出されないか分離不良であったのは1例、その中間が4例で、ほぼ満足できる結果が得られた。
©Nankodo Co., Ltd., 2011