発行日 2011年4月1日
Published Date 2011/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2011160947
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65歳男。前立腺肥大に対する画像検査で腹部大動脈瘤、胸部の動脈瘤を発見され紹介となった。胸部造影CTで左鎖骨下動脈瘤を認め、最大径5cmであった。瘤は嚢状で大動脈弓部より広基性に起始しており、瘤内には壁在血栓を認め、左総頸動脈を前方に圧排していた。破裂予防および末梢への血栓塞栓症予防のため手術を施行し、胸骨正中切開でアプローチし、人工心肺を確立して心停止、循環停止、選択的脳灌流を行い、上行~弓部大動脈を切開した。左鎖骨下動脈瘤の瘤壁には石灰化、粥状硬化、壁在血栓を認め、血腫と粥腫を除去して左鎖骨下動脈を瘤内より縫合閉鎖した。左鎖骨下動脈末梢で大動脈をトリミングし、4分枝付き人工血管と吻合した。左総頸動脈-分枝吻合、中枢側吻合の後に左腋窩動脈へ吻合した人工血管を胸腔内へ導き、分枝と吻合した。最後に右腕頭動脈-分枝を吻合した。術後17日目の胸部造影CTでグラフトの良好な血流を確認し、22日に独歩退院した。
©Nankodo Co., Ltd., 2011