発行日 2011年2月1日
Published Date 2011/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2011106142
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
74歳女。胸部異常陰影を主訴とした。肺癌検診にて右下肺野の異常陰影を指摘され、胸部高分解能CTで右下葉(S9)の結節影(約15mm大)とその末梢、胸膜直下のスリガラス状陰影を認めたが、入院時検査所見に特記すべき異常はみられなかった。右B9b、B8a、B8bで擦過細胞診、経気管支肺生検および気管支肺胞洗浄を行うも悪性細胞は認めず、洗浄液もコメのとぎ汁様ではなかった。CTおよび気管支鏡検査では確定診断に至らなかったため、診断目的を兼ねて腫瘍存在部分を器械的に部分切除し、切除標本の病理組織検査で肺胞蛋白症(PAP)と診断された。結節影周囲のスリガラス状陰影はPAPに特徴的なものではないが、PAPの画像的な変化を考察するうえで有用と考えられた。
©Nankodo Co., Ltd., 2011