発行日 2011年2月1日
Published Date 2011/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2011106139
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79歳女。呼吸困難、四肢冷感を主訴とした。救急搬送時より急速にショック状態が進行し、CPK高値、心電図所見から急性心筋梗塞として対応したが、経食道心エコー(TEE)検査では心室の動きは良好でhyperkineticであったため、心筋梗塞により腱索もしくは乳頭筋断裂を発生したものと推測して手術室を準備した。再度のTEEでは高度僧帽弁逆流、前尖、後尖の逸脱と、心拍動に伴い左室左房を激しく出入りする断裂乳頭筋が確認され、術中に前外側乳頭筋の完全断裂を認めたため、僧帽弁置換術を行い救命しえた。なお、術後安定期の選択的冠状動脈造影では冠状動脈の器質的病変を認めなかった。
©Nankodo Co., Ltd., 2011