発行日 2010年10月1日
Published Date 2010/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2011042628
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著者らは遅発性タンポナーデに対して、横隔膜面に1本の太いドレーンを留置するだけで心嚢内すべてをドレナージできるのか、疑問に思われた。そこでBlakeシリコンドレーンの柔軟性を生かし、心臓を一周するようなドレーンの留置法(CPD)を考案した。2007年10月から約2年間にかけ、このCPDを行った弁膜症68症例(A群)と、それ以前の約2年半に塩化ビニール製の側孔型28Frソラシックカテーテルを留置した弁膜症72例(B群)を対象に後方視的に比較した。その結果、A群では現在までに遅発性タンポナーデの発症は認めていないが、B群では7例で発症していた。これは心嚢内に血腫を残さないことで心膜の炎症反応を予防し、結果として過剰な心嚢液の産生を抑制したのではないかと考えられた。尚、ドレーン留置期間もA群が有意に短く、ドレーンの効率の良さが示された。
©Nankodo Co., Ltd., 2010