発行日 2010年8月1日
Published Date 2010/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2010332097
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54歳男性。患者は労作時の胸部不快感を主訴とし、循環器内科にて労作性狭心症と診断され、手術目的で心臓血管外科へ紹介となった。術前の心臓カテーテルでは右冠状動脈(RCA)#4AV:75%、左主幹部(LMT)#5:90%、#6:75%、#7:75%と、LMT病変を伴う2枝病変であった。手術は心拍動下CABGが行われたが、術中に赤外線観察カメラシステム(PDE)にてグラフト攣縮による血流不全が認められ、このため直ちにpapaverine hydrochlorideをグラフトに散布した。そして再度PDEを施行したところ、吻合部の開存が確認され、再吻合を回避することができた。術後は攣縮予防のためカルシウム拮抗薬が投与され、合併症なく経過し、患者は手術から27日目に軽快退院となった。
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