発行日 2010年9月1日
Published Date 2010/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2010320101
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症例1:69歳男。肝内胆管拡張症の精査中、PET-CTで左肺舌区に腫瘤を指摘され、経気管支肺生検で腺癌の診断にて入院となった。胸部造影CTでは肺野条件で左S4に15×10mmのスピクラを伴う結節影を認め、縦隔条件では通常より末梢で上下肺静脈は共通幹を形成し、三次元構築により明瞭に共通幹が描出された。術中、肺静脈の処理に際し、上肺静脈の処理予定が上下肺静脈の共通幹を切離する結果となり、腫瘍の下葉浸潤を認めたため左肺全摘+2a群リンパ節郭清を行った。病理診断は多形癌で、病理病期T1N0M0であった。症例2:53歳男。菌状息肉症で経過観察中、胸部CTで左肺尖部のスリガラス影を指摘され、気管支鏡検査で確定診断が得られず手術となった。胸部単純CTで左S1+S2に20×13mmの内部空洞を伴い、辺縁にスピクラを伴う結節影を認めた。縦隔条件では肺静脈の異常は認識できなかったが、三次元構築により上下肺静脈が共通幹を形成している可能性が考えられた。上肺静脈を処理した後、上区切除+1b群リンパ節郭清を行い、病理診断は混合型肺胞上皮癌で、病理病期T1N0M0であった。
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