発行日 2010年9月1日
Published Date 2010/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2010320100
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34歳男。2年前に健康診断の胸部X線で異常影を指摘され、CTで左肺舌区に気管支拡張を伴う浸潤影を認め、炎症性変化と診断して経過観察を行い、2ヵ月後のCTで陰影は改善し、瘢痕を残すのみとなった。今回、健康診断で再度異常影を指摘され、CTで舌区に著明に拡張した気管支の透亮像を伴う浸潤影を認め、この領域の炎症を繰り返していると思われた。HRCTでは陰影の中枢にあたる舌区気管支内に、縦隔条件で一部に明瞭な石灰化を伴う腫瘤性病変を認めた。気管支鏡では左上葉支にポリポイドに突出し、これを閉塞する易出血性の腫瘍を認め、生検結果はカルチノイドであった。腫瘍切除術を行い、病理組織所見より定型カルチノイドと診断された。術後経過は良好で、第16病日に退院となり、術後2年6ヵ月の現在、無再発で生存中である。
©Nankodo Co., Ltd., 2010