発行日 2008年7月1日
Published Date 2008/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2008256267
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症例1:31歳女。階段より転落したとして近医入院したが、翌日に血液データ異常が判明し当院転院となった。全身打撲による右血胸を伴う心タンポナーデ、左肋骨骨折、肺挫傷などを認め、受傷機転不明で心損傷を否定できず、緊急開腹術を施行した。右心耳先端の血腫除去により7mmの縦走裂傷を認め、結紮縫合した。術後血液データは著明に改善したが、患者の希望で正常化を待たず8日目に退院した。症例2:68歳男。乗用車で中央分離帯に激突し胸痛を生じた。画像所見で心損傷による心嚢内血腫を疑い、左胸腔穿刺後に血圧維持困難となったため緊急開胸術を施行した。広範な肺挫傷と左側心嚢損傷および左心耳裂傷を認め、裂傷部縫合を行ったが、出血性ショックで死亡した。症例3:35歳女。乗用車で電柱に衝突し、画像所見より外傷性心破裂による心嚢内血腫と診断し、緊急開胸術を施行した。右心耳前面の血塊除去で10mmの縦走裂傷を認め、縫合閉鎖した。血行動態は安定しており、術後3日目に軽快退院した。
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