Pancoast型肺癌の手術
選択術式 肺尖部肺癌例のアプローチ
岡田 克典
1
,
桜田 晃
,
佐渡 哲
,
松田 安史
,
渡邉 龍秋
,
遠藤 千顕
,
星川 康
,
野田 雅史
,
小柳津 毅
,
前田 寿美子
,
大石 久
,
近藤 丘
1東北大学加齢医学研究所 呼吸器再建研究分野
キーワード:
Cisplatin
,
Vindesine
,
外科用メッシュ
,
腫瘍多剤併用療法
,
MRI
,
腺癌
,
肺腫瘍
,
肺切除
,
放射性核種イメージング
,
腺扁平上皮癌
,
ネオアジュバント療法
,
放射線化学療法
,
胸部CT
Keyword:
Antineoplastic Combined Chemotherapy Protocols
,
Adenocarcinoma
,
Cisplatin
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Lung Neoplasms
,
Pneumonectomy
,
Surgical Mesh
,
Radionuclide Imaging
,
Vindesine
,
Carcinoma, Adenosquamous
,
Neoadjuvant Therapy
,
Chemoradiotherapy
pp.51-56
発行日 2010年1月1日
Published Date 2010/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2010091384
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症例1:40歳男。右胸部痛を主訴とした。CT、MRIで右肺尖後方に側胸壁(第1~3肋骨)と接する境界不明瞭な腫瘤を認め、経皮針生検では腺癌の診断であった。胸壁浸潤を伴う肺尖部肺癌(cT3N0M0)と診断し、化学放射線療法後に手術を行った。患者を左側臥位とし、右第5肋間後側方切開で開胸した。第1~3肋骨を含む胸壁を上葉と共に切除し、縦隔リンパ節郭清を行った。切除標本の病理は腺扁平上皮癌で、viable cancer cellが一部で認められた。症例2:60歳男。他疾患の術後検査で左肺尖部の腫瘤影を指摘された。CTでは左椎骨動脈起始部を含む左鎖骨下動脈を巻き込んでおり、CTガイド下経皮針生検で腺癌の診断(cT4N0M0)が得られ、化学放射線療法後に手術を行った。患者を仰臥位とし、左鎖骨上縁に沿う襟状切開→第4肋間までの胸骨正中切開→左第4肋間前側方切開へと連なる逆コの字切開を行った。第1肋骨を前方で切断し、胸骨柄、鎖骨、第1肋骨前部をレトラクターで上外側へ牽引し、術野を展開した。その後、左上葉切除+ND2aを行った。切除標本の病理所見では、腫瘍は全て壊死組織に置き換わっており、viable cancer cellはみられなかった。壊死組織は左鎖骨下動脈外膜へ及んでいた。
©Nankodo Co., Ltd., 2010