発行日 2006年3月1日
Published Date 2006/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2006153678
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22歳男.1歳時に高IgE症候群と診断され,17歳時に肺アスペルギルス症の診断で右上葉切除術を受けたが,その後も再燃を繰り返していた.今回,発熱,血痰が出現し,肺アスペルギルス症再燃の診断で薬物投与を受け症状は改善したが,肺内空洞病変の急速な増大を来たした.胸部CTで右下葉に壁の肥厚と鏡面像を伴う最大径80×60mmの巨大な空洞病変を認め,中葉にも空洞病変を認めた.経過より手術適応と考え,開胸術を行った.一部壁側胸膜を合併切除しつつ右肺を摘出し,更に有茎大網弁を作成して気管支断端へ被覆した.摘出標本で右S5,S6領域に膿瘍性病変が存在し,真菌が確認された.術後経過は良好で,血液ガス分析ではPo2が術前69.0mmHgから84.7mmHgに改善し,術後21日に小児科に転科した
©Nankodo Co., Ltd., 2006