発行日 2009年10月1日
Published Date 2009/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2009358792
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74歳男。以前より完全内臓逆位を指摘されていた。今回、他疾患経過中のX線で異常陰影を指摘され当科紹介となった。胸腹部CTで左肺上葉に胸膜に接する63mm大の不整形の充実性腫瘤を認め、気管支鏡による細胞診はclass 3であった。FDG-PETでは左肺上葉肺尖後区背側に強い集積増加域を認め、リンパ節や遠隔臓器に異常所見はなかった。以上より、完全内臓逆位に合併した非小細胞肺癌(臨床病期IB期)の疑いで手術を施行した。手術は右側臥位、分離肺換気下に施行し、分離肺換気は左気管支用ダブルルーメンチューブのbronchial lumenを右主気管支に挿入して行った(正常解剖時の鏡面関係)。胸腔鏡下に針生検を行い、非小細胞肺癌(扁平上皮癌疑い)の診断を得た後、後側方切開、第5肋骨床開胸で左肺上葉を切除し、リンパ節郭清(ND2a)を施行した。病理組織学的診断は扁平上皮癌、肉腫様成分を伴う混合型小細胞癌、pT2N0M0、病理病期IB期であった。術後経過は良好で、術後15日に退院となった。
©Nankodo Co., Ltd., 2009