発行日 2009年10月1日
Published Date 2009/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2009358793
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47歳女。1年3ヵ月前に右乳癌に対し乳房温存術の既往があった。2年8ヵ月前に右気胸を発症した以後、脱気やドレナージを行うも月経中に右気胸を繰り返し、今回4度目の再発を認め手術を行うこととした。腹腔鏡を挿入すると、横隔膜に複数の小孔を認めたが、肺に異常はなかった。外性子宮内膜症を疑って横隔膜部分切除を行い、病理所見では紡錘形細胞から成る部分がみられ、ヘモジデリン沈着を伴う出血を認めた。免疫染色では紡錘形細胞にER(+)、PgR(+)で、子宮内膜間質に矛盾しない所見であった。術後は乳癌補助療法としてgoserelin acetateを開始し、投与1ヵ月後に月経中に右気胸が再発したが、以後は毎月2年間投与で再発はなかった。その後、QOLの点から3ヵ月1回投与のleuprorelin acetateに変更したが、1年5ヵ月後に右気胸が再発し、気漏が持続するため手術を施行したところ、右S8に小さいブラを認め、これを切除した。術後はgoserelin acetateに再度変更し、術後6日に退院となり、1年6ヵ月経過した現在、再発は認めていない。
©Nankodo Co., Ltd., 2009