大動脈基部置換術
術式選択 大動脈基部再建における術式選択の指標と工夫
前川 厚生
1
,
荒木 義盛
,
大島 英揮
,
碓氷 章彦
,
上田 裕一
1名古屋第一赤十字病院 心臓血管外科
キーワード:
再手術
,
生存率
,
大動脈弁閉鎖不全症
,
大動脈瘤
,
動脈瘤-解離性
,
治療成績
,
Bentall手術
,
David手術
,
大動脈弁輪拡張症
Keyword:
Aortic Aneurysm
,
Aortic Valve Insufficiency
,
Aneurysm, Dissecting
,
Reoperation
,
Survival Rate
,
Treatment Outcome
pp.952-957
発行日 2009年10月1日
Published Date 2009/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2009358778
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2000年5月~2008年12月迄に行った大動脈基部再建手術69例を対象に術式選択について検討した。対象の内訳は、Bentall手術(B群)52例、reimplantation手術(David手術:D群)9例、remodeling手術(Yacoub手術:Y群)8例であった。手術時の確定診断が大動脈弁輪拡張症(AAE)+大動脈弁閉鎖不全(AR)であった割合は、B群22例、D群9例、Y群3例であった。B群でのAAE以外の病態は、Stanford A型急性大動脈解離、大動脈弁置換術後のValsalva洞拡大、Valsalva洞拡大を伴う大動脈炎症候群などであった。Y群でのAAE以外の病態は、A型急性大動脈解離、外傷性上行基部大動脈瘤、大動脈基部の多発仮性瘤+ARの合併であった。腎不全の合併はB群でのみ2例認めたが各群間で有意差はなく、慢性閉塞性肺疾患の合併頻度もB群で4例とやや高値であったが各群間で有意差はなかった。左室機能低下例もB群でのみ3例認めたが各群間で有意差はなく、Marfan症候群はB群で12例と多く、D群との間に有意差を認めた。A型急性大動脈解離に対する手術はB群が最も多く、D群との間に有意差を認めた。心臓手術後の再手術例はB群でのみ18例認め、各群間で有意差があった。
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