発行日 2011年7月1日
Published Date 2011/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2011292649
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症例1:19歳男。交通外傷で救急搬送され、精査の造影CTで胸部下行大動脈の狭窄を認めた。血管造影では大動脈弓部3分枝直後から下行大動脈が狭窄し、狭窄後拡張を認め、圧較差20mmHgであった。また、若年性高血圧も認めた。手術適応と判断し縮窄部分を切除したが、大動脈弓部小彎側の動脈壁が非常に薄く脆弱であったため、端々吻合とせず20mm人工血管置換術を行った。血圧較差は改善し、術後に認めた高血圧に対し薬物治療を行った。症例2:30歳男。11歳時に大動脈縮窄症および心室中隔欠損症で上行大動脈-腹部大動脈人工血管バイパス術、欠損孔閉鎖術を施行された。1年前より労作時下肢の倦怠感、疼痛を自覚し、循環器内科でバイパス血管の閉塞を指摘された。術前血管造影では鎖骨下動脈分岐部から大動脈低形成で、約4cm末梢側に高度狭窄を認め、圧較差は22mmHgであった。狭窄部分を切除し、大動脈低形成による吻合部狭窄発生の可能性を考え20mm人工血管置換術を行った。術後血圧較差は低下し、症状も改善した。
©Nankodo Co., Ltd., 2011