発行日 2009年6月1日
Published Date 2009/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2009275824
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81歳男性。患者は脳出血に対する緊急開頭血腫除去術の翌日に誘因なく呼吸苦、喘鳴が出現し、胸部単純X線にて右胸腔内の異常陰影を認め転棟となった。胸部CTでは右胸腔内の高位まで肝臓と腸管の脱出がみられ、縦隔は左方へ圧排されていた。このことより、本症例は急性発症の右横隔膜ヘルニアと診断され、緊急手術が行われた。その結果、右肋骨弓下切開にて腹腔内よりアプローチしたところ、肝臓と横行結腸がともに深く胸腔内に嵌入しており、それに伴い腹腔内臓器が右胸腔内の方向へ牽引されていた。そこで、右肋間開胸を追加し、手術は腹腔内臓器を正常位置に戻した後、脆弱化した横隔膜の欠損部位を非吸収性メッシュにより補強された。以後、右横隔膜は正常位へと復し、呼吸状態も改善し、患者は術後16日目に脳外科へ転棟となった。
©Nankodo Co., Ltd., 2009