特集 小児内視鏡外科手術の術中・術後合併症と対策
エネルギーデバイス使用によるヒヤリ・ハット
産本 陽平
1
,
川嶋 寛
1埼玉県立小児医療センター 小児外科
キーワード:
胃食道逆流
,
横隔膜ヘルニア
,
術後合併症
,
腸穿孔
,
腹腔鏡法
,
腹膜炎
,
腹膜透析
,
網
,
胃底皺襞形成術
,
結腸疾患
,
ヒヤリハット事例
,
胸部CT
Keyword:
Fundoplication
,
Hernia, Diaphragmatic
,
Omentum
,
Near Miss, Healthcare
,
Gastroesophageal Reflux
,
Colonic Diseases
,
Laparoscopy
,
Intestinal Perforation
,
Peritoneal Dialysis
,
Peritonitis
,
Postoperative Complications
pp.1159-1162
発行日 2020年11月25日
Published Date 2020/11/25
DOI https://doi.org/10.24479/J00645.2021096777
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症例1(3歳1ヵ月男児)。腹腔鏡下噴門再形成術から1年5ヵ月後に突然の上腹部痛を認め、胸腹部造影CT検査にて左横隔膜ヘルニアと診断され、緊急開腹下にヘルニア修復術が行なわれた。本症例では腹腔鏡下手術時にlaparascopic coagulating shears(LCS)の先端が横隔膜に接触し、遅発性に横隔膜穿孔を生じたものと考えられた。症例2(1歳3ヵ月女児)。先天性ネフローゼ症候群のため腹膜透析管理中であった。今回、繰り返す腹膜炎と大網の巻絡に伴う除水不良に対し、腹腔鏡下大網切除、カテーテル再留置術が施行されたが、術後5日目に消化管穿孔を認め、緊急開腹下に穿孔部を縫合閉鎖した。本症例ではLCSのcavitationによる遅発性の消化管穿孔の可能性が高いと考えられた。
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